しんどい状況にある子達の学びの場を提供

B@SE(ベース)

テーマ:居場所づくり、学習支援、教育
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■私たちの課題意識

Issue.01

貧困の原因は複雑に絡み合っている。

 貧困家庭で育つ子どもたちに対して、学習をフォローする学習支援の取り組みは、全国的に広がってきています。「勉強したい!でも塾に行くお金がない…」このような教育の格差が就職の格差になり、収入の格差になっていきます。そのような子どもたちに、学習の機会を提供し、進学をサポートしていく学習支援を必要としている子どもたちはたくさんいます。

 

 はっきりした原因がひとつあって、それを突き詰めれば解決できるような場合には、短期的・効率的に問題を解決する論理思考的なアプローチが有効です。ただ、貧困に苦しむ家庭の子どもたちが抱えている問題は「教育の機会が得られない」だけではありません。学習支援によって高校に合格しても、通うお金がなかったり精神疾患などによって通うことに困難があったり、本人は夢を見つけて進もうとしているのに、両親がそれを応援できずに障壁になってしまっていたり。福祉や教育だけではなく、就労や雇用環境、社会情勢やまちづくりなど、色々な要素が複雑に絡み合っているのが貧困という問題です。

 

Issue.02

本当に支援を必要としている子は、その場所には来られない。

 子どもの貧困問題が認知されるにつれ、日本全国で学習支援や子ども食堂などの支援が急速に広まりました。そのような地域の居場所によって救われる子どもたちもたくさんいます。ただ、行政の福祉課の皆さんや、地域で子どもたちを見守っている方々に話を聞くと、そのような地域の居場所にすらつながることのできない子どもたちの存在が見えてきました。「いじめや不登校などの経験があり、他者とのコミュニケーションに不安を抱えている」「ネグレクトや虐待があり、親が子どもに対して興味がない」「昼夜逆転の生活を送っており、集団で過ごすことが苦手」など、抱えている原因が深刻な人ほど自分の将来に対する意欲が低く、地域で開かれている居場所や学習支援の場に行こうとも思えていないのです。

 また地域にある相談窓口や支援制度・支援機関は、高齢者・障害者・母子家庭・精神疾患・引きこもり・自殺対策などのように機能が専門分化されており、縦割りの対応になってしまいがちでもあります。そのような現状だと、対象者を制度に当てはめられるかどうかを考えてしまい、制度を活用できなければ救済しないという対応をしてしまうケースもあります。原因が複雑に絡み合っている人ほど、どの支援機関も手を出せないでいるという現状があります。

■B@SEが地域で担うもの

子どもも親も意欲が低い…そんな人にこそアプローチが必要。

「貧困」といっても各家庭・個人によって状況は全く違います。親の意欲も子どもの意欲も高いA層の人もいれば、どちらの意欲も低いD層の人もいます。ではA層の子どもたちと、D層の子どもたちに提供する学習支援の場は同じものでいいのでしょうか?

やはり本人の状況に合わせた関わりや場づくりが必要です。

関係性づくり、居場所づくり、憧れとの出会い、学びの場づくりなど、様々な関わりや支援をその子の状況に合わせて組み合わせていくことが、支援のセーフティネットからこぼれ落ちてしまっている子どもたちを救い出すためには必要です。

子どもたちの「安心要素」にアプローチする

 様々な困難の原因を抱えている子どもたちに対して、どのようにアセスメントを開始していくのかが、これからの関係性を築く上で重要になります。福祉の専門家による、その子が抱えている「危機リスク」に対してのアプローチに加え、B@SEユースワーカーがその子の「安心要素」にもアプローチをしていきます。その子のストレングスや希望・ニーズを把握し、「好き」や「やりたい」という気持ちに火を灯していくことで、子どもたちの意欲が少しずつ上がっていくのです。

■目指す地域の姿

途切れのない支援へ

 対象を選別するのではなく、当事者のニーズから様々な地域の資源を組み合わせて一人ひとりの支援をオーダーメイドする創造的な支援の形が求められています。B@SEユースワーカーは、子どもたちのストレングスや希望などの「安心要素」にアプローチし、「あの人と一緒なら、いろんな場所にも行ってみよう」と感じてもらえる関係性を築き上げていくことを、まず行っていきます。そして、すでに地域にある資源を縦横無尽に活用し、適切な支援を組み合わせて提供していきます。

 貧困に苦しむ人は社会とのつながりが希薄になっていることも多いのが現状です。だからこそ、まずは様々な人との関わりを通して自尊感情や成功体験を得て、承認される場としての居場所づくりをしていきます。自由に過ごせる居場所での様々な関わりや体験を通して、意欲が高くなり、「こんなことをやりたい!」という思いが育ってきます。そのような思いが出てきたら、さらに地域の資源を組み合わせてそれを実現する学びの場づくりを進めていきます。

一人ひとりに合わせたオーダーメイドの支援を実現

 

関係性づくり

学校や家庭に居場所を感じられていない。大人を信用していない。経済的な苦しさが原因で、学校や家庭、地域から孤立してしまった子どもたちとの安心できる関係性を築いていきます。素の自分を認めてくれる、一歩を踏み出すために背中を押してくれる、そんな関係性をつくっていきます。

 

 

 

居場所づくり

学校の宿題をしたり、絵を描いたり。好きなことをして過ごせる居場所をつくっています。年上の子が年下の子に勉強を教える、一緒にゲームをやるなど、自分の「できること」で他者と関わり、誰かに必要とされることで「もっとできるようになりたい!」という意欲が上がっていきます。

 

 

 

憧れとの出会い

利害関係の強い先生や親でもなく、視点が同じになりがちな友達でもない、少し先の先輩との対話を通して、自分の将来を主体的に考えるきっかけを提供しています。また、子どもたちがロールモデル(憧れ)と出会い「あんな風になりたい」という想いが生まれるきっかけをつくっています。

 

 

 

学びの場づくり

「写真が撮れるようになりたい」「特技を披露したい」など、様々な関わりの中で思いを引き出し、地域の資源とつなげていくことで、思いを実現するやり方を学びます。自ら動き、課題を解決する力をつけることで、理想の未来をつくり出せる人材へと育っていきます。

 

 

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